2009年12月21日月曜日

クリスマスのあれ

いまさらながら、赤瀬川源平の『老人力』を読んでいる。私はずいぶんと老人力をため込んでいるぞとうれしくなる。だいたい若いうちから俳句をやっているのだから、もう折り紙付きだ。しかし私の老人力はそれだけではない。

もともと、もの忘れがひどい、というところから、それをプラスにとらえて「老人力」と命名しているのだが、私もこの「もの忘れ」がはんぱではない。会話は「あれがあれで…」と「あれ」ばっかりである。財布も忘れる。財布を持たずに飲食店に入るなんてざらである。いまどきツケで飯を食っている人はそういないだろう。ライブのチケットを買って、ライブが終わって何日か経ってから気付いてへこむという経験も相当ある。また、公私ともにダブル・ブッキングの帝王である。って、こんなこと威張ってどうする。

さすがに最近は気を付けている。予定を入れるとき、なんかもやもやしたら、すぐに確認するようにしている。財布は鞄を変えさえしなければ大丈夫だ。しかし、財布の中身までは確認し忘れる。今後の課題である。


茂根さんがクリスマスの絵本を紹介していたので、私はフェイバリット・ソングを。

Father Christmas / The Kinks
1977年だから、パンクを意識したサウンド。当時のパンクスは、ストーンズはゴミ、ジジイ呼ばわりで、一方キンクスはフーと並んで「ゴッド・ファーザー・オブ・パンクス」と崇められていたのだ。で、本人たちもそれを意識して、元気でかわいい。
詞の内容はというと、クリスマスの買い物の帰り、デパートの前で、子供たちに襲われる。サビのフレーズが、
「サンタさん、金をくれよ!あんたの抱えてる馬鹿げたおもちゃなんていらない、そんなもんは金持ちのガキにくれてやれ。親父に仕事をくれ、俺たちに金をくれ!」というもの。実体験を元に書いたそうだ。パンクである。『Come Dancing with the Kinks』ほかベスト盤に収録。

One Chrismas Catalogue / Captain Sensible
パンク御三家のひとつ、ダムドのベーシストのキャプテン・センシブルの84年のソロ・シングル。赤いベレー帽と丸いサングラスがトレードマークで、数々の奇行で知られる人。生きたネズミを食ったって本当か。ファースト・ソロ・アルバム『ウーマン&キャプテンズ・ファースト』は死ぬほど聴いた。テクノ・アコースティックという感じで、ダムドとはうってかわってなかなかナイーブでかわいい。『ザ・パワー・オブ・ラブ』に収録。

Xmas no Hi / Original Love
田島貴男率いる(いまはひとりだが)オリジナル・ラブの、インディーズ時代の曲。「朝早く起きても、クリスマスは来ない。しゃくだから、隣の家に火をつけた」というとんでもない歌だが、それゆえかわいい。『ORIGINAL LOVE』ほかベスト盤に収録。


 公衆電話受話器重たし聖樹の灯   榮 猿丸


0 件のコメント:

コメントを投稿