7月3日は「澤」創刊十周年俳句大会・祝賀会であった。第一部が句会と記念講演。二部が祝賀会。
記念講演は、
宗田安正氏「現代俳句史における『澤』」
正木ゆう子氏「恋とビニールの間」
筑紫磐井氏「〈伝統〉と二十一世紀俳句」
押野裕氏「澤十年の感想」
押野さんは「澤」の前編集長。澤のプリンス。
講演の採録含め、大会の特集は澤10月号で行う予定。
祝賀会は私が司会。会場が芸能人の結婚式みたいで、ビビる。盛りだくさんな内容で、「ご歓談タイム」が取れなく申し訳なし。だが、時間内に収まってほっとする。
しかし、大失態をやってしまった。新同人の紹介で、上田明成さんの句「観るものはみな生者なり大文字」の「大文字」を最初「おおもんじ」と読んでしまった。「あれ、だいもんじ?失礼しました!」という…。あの、言い訳ですけれど、「だいもんじ」わかってますよ、もちろん。でも、一瞬、わからなくなってしまった。これは二次会でいじられまくった。もうひとつ、松園子さんの「波留久佐乃皮斯米之刀斯【はるくさのはじめのとし】や難波恋ふ」の「難波」を「なんば」と読んでしまった。「なにわ」であった。句を事前に読み込んでませんでした。すみません。
で、祝賀会のなかで澤各賞の表彰もあったんですけれど、高橋睦郎、小林恭二、小澤實各氏が選考委員の第6回澤特別作品賞というのを今回受賞したんです、ぼく。とても光栄なんですが、司会が受賞者の自分を紹介するのって、おかしいでしょう。しかも表彰式とか受賞の挨拶もあるのに。と、シュサイに申し上げたら、「いや、ウケると思って」とおっしゃられる。ウケるか!「笑いを取ってくれ」くらいなことを言われる。できるか!
壇上で小澤主宰から表彰状と小屏風をいただく。林雅樹さんに花束をいただき、ハグ。林さんのお祝いの言葉、笑い取ってましたね。よかった。いや、そうじゃなくて、林さんらしい挨拶がうれしかったです。私はいただいた小屏風を披露し、そこに書いていただいた主宰の句を紹介する。「おほうなぎ元気雌雄も年齢も不詳」これもウケた。よかった。いや、笑い取るためじゃなくて、ほんとうに書いてほしかった句だったので。書いていただく句は受賞者がお願いできるんです。あとで間村俊一さんから、「おほうなぎ」の句にも感動したが、この句を選んだ猿丸も偉いと言われる。ありがたし。
大会で久し振りにお会いした方、はじめてお会いした方とお話しできるのが何よりうれしいのだけれど、司会だったもんで、時間がなくて残念。二次会はちょっと放心状態。三次会からエンジンかかる。で、五次会まで行ってしまった。五次会はさすがに三人だったが、私以外の二人は、「澤」の人ではない。これがうれしかった。「澤」の人でもないのに、楽しい、もっと飲もうと言ってくれる。いい会だと酒を酌み交わしてくれる。ほんとうにありがたし。空がすっかり明るくなった雨上がりの道をゆらゆら歩いて、帰宅。
特別作品賞の中から一句。
ダンススクール西日の窓に一字づつ 榮 猿丸
先日はたいへんお世話になりました。
返信削除とても良い会でしたね!私も翌朝六時半のバスで夢と魔法の国に出発なんてスケジュールが入ってなければ、もっとご一緒できたのですが…。また次の機会に、お目にかかれるのを楽しみにしております。
掲出のダンススクールの句、受賞作品15句の中でも一番好きな句です。
春休さま
返信削除こちらこそお世話になりました。お会いできてうれしかったです!今度はぜひ句会しましょう!
大変遅ればせながら、ご受賞おめでとうございました!!
返信削除ダンススクールの句、西日に照らされた窓のツヤツヤした感じや、ダンスの練習に励む人々の動きが目に浮かぶようです。
夏の夕暮の、そこはかとなく物悲しい気分が漂う句ですね。
猛暑日が続きますが、お元気でお過ごし下さい。
えるさま
返信削除ありがとうございます!
こちらは夏風邪でダウンしております。いやダウンしてられないのですが。ご自愛ください。