俳句関係の作業やら締切やらが一段落したとたん、夏風邪を引いた。この感じ、ひさしぶりだ。「暑い」のか「熱い」のか、わからない感じ。この「だるさ」はどっちなんだ。冷房の部屋に入ると寒い。設定温度を29度に上げても、寒さにふるえてようやく風邪だとわかる。土曜は昼間寝ていて夜に起きだし、熱をはかったら38度を超えていた。しかし食欲は減退せず、そうめん二人前にシーフードサラダ、食後にテレビでやっていた『デス・ノート』三部作観ながらポテトチップス一袋食う。しかしだるい。あつい。さむい。
夏の音楽というと、ボサノヴァとかレゲエとかビーチやバカンス音楽だったりするのだけど、街の夏の歌も捨てがたい。映画だとエリック・ロメールの『獅子座』が思い浮かぶ。あのパリの暑さはすごい。生々しく、生き生きと、夏のパリがフィルムに閉じ込められている。いつ観ても新鮮に、暑い。
音楽では、その名のとおり、ラヴィン・スプーンフルの「サマー・イン・ザ・シティ」が先ず挙げられる。歌詞もそのまんまなところがいい。『ダイ・ハード3』のオープニングで効果的に使われていたのが印象的だった。ちなみにテレビ放映時のジョン・マクレーンの吹き替え、どうにかならんか。「ふぇ〜!」「うぇ〜!」と喘ぎまくって、おもしろすぎるぞ。映画で使われたといえば、ヴェンダースの映画『都市の夏』もある。タイトルもそのまんま。しかし、この映画の副題は「キンクスに捧ぐ」となっていて、なぜタイトルがラヴィン・スプーンフルなのか、キンクスの曲名にすればいいのにとも思うが、このひねくれた感じがキンクスに捧げるのにはふさわしい。
そのキンクスでは、ヴェンダースの映画では使われていないけれど、やはり「サニー・アフタヌーン」だろう。相続税をがっつり取られて家屋敷だけ残った英国貴族のぼやきが延々と歌われている。「サマー・イン・ザ・シティ」にしても「サニー・アフタヌーン」にしても、ほんとけだるい。あまりに「都市の夏」すぎて、この猛暑の中で聴きたくない。
というわけかどうかわからんが、「サニー・アフタヌーン」のプロモビデオは、雪の中で、コートにタートルネック、マフラー姿で演奏されている。ただたんにひねくれているだけだが。「夏の晴れた午後をだらだら過ごすのさ」と、悴んだ手をさすり、白い息を吹きかけたりしながら歌うレイ・デイヴィスの鼻声は、永遠に治らない夏風邪のようだ。
畳の目無数寝冷のわがほとり 榮 猿丸
おや、「お元気で」と書いた矢先に大変なことでした。
返信削除もう快復されたのでしょうか。
お大事になさってくださいね。
(余計なお世話でしょうが、夏風邪の時に畳の上で眠るのは、よろしくないかと……)
えるさま
返信削除夏風邪、だいぶよくなりましたが、まだぐずぐずしています。なかなか治りませんね。
アドバイスもありがとうございます。畳の上で寝たから、夏風邪になった。。。というつながりで。