2010年10月26日火曜日

暮の秋   上野葉月

アッラーの造り賜いし世界は数多くの神秘に彩られているので、三十一歳年下の幼馴染みに「勘違いしないでよ!」と言われてしまう危険性がまったくないとは断言できない(実際その場合ほぼ確実に勘違いである可能性も高い)けど、1US$が100円以上に戻ることなんて、食パントーストを咥えた高校生と街角で鉢合わせくらいありえない出来事のような気がしてきた葉月です。お久しぶりです。そういえば最近久しぶりにウラハイに『恋のハンムラブ法典』という記事も書きました。

私が若い頃は1US$が100円になったら日本沈没なんてことがしきりに言われていたが、今じゃ1US$が80円。本当に安くなったものだ。どういう縁なのか米系企業で働くようになって八年にもなるけど、USって日夜順調に衰弱している印象は拭えない。ドルが紙屑になってしまうのはそんなに遠い将来ではなさそうだ(ま。もともと単なる紙屑なんだけど)。

それにしても世界の主な宗教のほとんどは金銭の貸し借りで利子を得ることを禁止しているのに、今や地球上の主な場所で拝金主義とでも呼べるようなものが蔓延ってしまっているのはどうしたことだろう。資本主義と言えば資本主義なのだけど、だいたい経済成長が永遠に続かない限り存続不可能なシステムなんて早晩機能不全に陥る事なんて誰の目にも明らかだろうに。長期的にはほとんどの人が第一次産業に従事する自給自足的なつつましい社会に戻っていくことは避けようもない。

それにしても最近の円高。もともとが日本の世帯あたりの貯蓄残高は平均でも(平均でも?!)一千万円超だし、そんな預金ばかりでなくそのほかに資産もあるだろうから国民全体としては紛れもなく世界有数の金持ちな訳だけど、この調子じゃ、日本人全員が働かず海外から安いものばかり輸入して貯金取り崩してごろごろ食っちゃ寝していても十年以上はどうにかなりそうだ。さらに円高が続けば、何十年もごろごろできそう。そんなに長い間円高が継続する理由もないけど。

ここのところ、一部若手俳人の間で働かないライフスタイルが定着してきていると言う人が跡をたたないのはそれなりの根拠が確かであるようにも見えるけど、上記のような事情も多少は後押ししているのかもしれない。

我が身を振り返って思うのは、働いたら負けというのは自明なのだが、働かないでいたらもっと負けているような気がするのは何故なんだろうという疑問だ。食うために働いているという錯覚に人間は陥りやすいけど、実際には人から役に立っているように見られたい(誰かに頼られたい)という要求の方が勝っているような気もする。
私も数年後には引退して、どこか暖かくて食料の豊かな物価の安い国に移住する可能性は高い。働いたら負けというより、もう何十年も世界平和のために戦い続けたのでさすがにもう疲れましたという感じではあるわけだが。
私ってけっこう真剣に日本は鎖国すべきだと主張しているのだけど、本人はどこか別の国に移住するつもりであるあたり愛嬌である。この辺の現行不一致が愛されてやまない理由のひとつなのかもしれない。

ひと月ほど前に長年借りていたロードバイクを友人に返して現在MTBで通勤している。あまり予想できていなかったのだけどMTBだと走っていてもあんまり楽しくない。私はそんなに速度を出すタイプではないのだがそれでもMTBだと何かしら緊張感が足りなく感じる。ロードバイクだとタイヤやホイールを痛めるので余程追い詰められないと歩道に乗り上げたりしまいものだが、MTBはタイヤが頑丈なのでちょっと車道が危険だと歩道に移ってしまうせいもあるかも。

どうしたって引越しなければいけない現状なので、住むところを見つけてからロードバイクを買うつもりだった。でも最近ロードバイク禁断症状が出てきていて、いつまで我慢できるか心配だ。考えてみると中学生の頃から自転車でよく高尾山へ行っていたりしたので趣味(スポーツ?)として自転車とかかわるようになってから随分長い年月が流れている。いつのまにかのスポーツ車中毒?

TVドラマ『ゲゲゲの女房』で長女の藍子ちゃんが小学四年生時に行ってもいない高尾山に家族で登った作文を書いたせいでミシュランガイドで高尾山に星がついてしまったりしてけど、ミシュランの日本版はやればやるほど墓穴を掘っている印象があるのは私だけだろうか。オリジナルの赤ミシュランガイドのフランス版イタリア版など住所と電話番号ぐらいしか情報のない質実剛健なうれしいガイドなのに、日本版のふにゃふにゃ感はどうしたことだろう。最近関西版も出たけど、京都ではミシュランに載っている店よりミシュラン調査員なんて入れない一見さんお断りの店の方がずっと格が高く評価されるのは火をみるより明らかではないのか。近いうちに「いきなりぶぶ漬けガイド」と呼ばれないことを祈るばかりだ。

さて東京の一部地域には全ての道は高尾に続くという諺がある。終電でうまいことシートに座れたと思ったら気がついたときには高尾で大量のタクシー代金が消費してしまうなんてことが中央線でも京王線でも頻発するので、まあ諺にもなるだろう。高尾山には天狗も住んでいるし。
調布市民としては天狗と言えばやはり仙川の天狗。江戸時代から昭和初期まで活躍した天狗様で数多くのエピソードを地元に残している。でも昭和48年小学校四年生だったTVドラマ『ゲゲゲの女房』長女の藍子ちゃんは仙川の天狗を知らなかっただろう。それにしてもなにしろ全国津々浦々の善男善女が見るNHKの TVドラマは常に子役選定に命をかけていると言っても過言ではない状態なのだが、今回村井家の長女次女の演じた子役達は本当にもう確実に不退転の決意と言って良いほど力がはいっていた。特に長女四年生次女幼稚園時の配役は神がかりとすら感じました。

結局私が何を書きたいかというと天狗で有名な仙川で10/30(土)に行われる吉祥寺句会番外編のことです。いつも前振りの長い葉月のこととは言え、今回の前振りは本当に長かった。
http://93825277.at.webry.info/201010/article_1.html
サイゼリア仙川店での出句時間は16:15ですが、欠席投句(メール出句)の場合15:15締切です。
出句時間は16:15ですが、欠席投句(メール出句)の場合15:15締切です。
(大事なことなので二回言いました)
ではよろしくお願いいたします。

呼び鈴の乾いた音や父の秋  葉月


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