「長句」と「短句」
連句は、「長句」(ちょうく=5・7・5)と「短句」(たんく=7・7)を交互に連ね、製作する。第一句目を「発句」(ほっく)、最後の句を「挙げ句」(あげく)という。前者は必ず「長句」、後者は必ず「短句」になる。なお、現在も使われている”挙げ句の果て”という表現は、ここからきている。
「捌き」と「連衆」
連句を製作することを「巻く」という。巻く際のメンバーを「連衆」(れんじゅう)といい、その場をとりまとめるリーダーのことを「捌き」(さばき)という。連句の進行は、基本的にはこの「捌き」が、連衆の句を一覧し、付ける句を決めてゆく。付ける際に句の修整が必要であり、捌きがそれを行うことを「一直」(いっちょく)という。捌きを特に決めずに連衆たちで相談しつつ句を付けていくことを「衆議判」(しゅうぎはん)、順番を固定して進行することを「膝送り」(ひざおくり)という。
「季句」と「雑の句」
季語が入る句を「季句」(きく)、入らない句を「雑の句」(ぞうのく)という。形式にもよるが、季句を入れる場所は、おおよそ決まっている。連句を巻く当季が発句の季節となり、それにより他の季節の配置が変わる。また、捌きのあんばいにもよる。このことは今後、「歌仙」(かせん)の解説をする時に詳しく触れたい。
「季句」のつづけ方と「季戻り」
連句では「夏」「冬」の句がでたら、”一句以上三句まで”、「春」「秋」の句は”三句以上五句まで”つづけることになっている。
「月の定座」と「花の定座」
連句では、一巻(いっかん=一つの連句作品)の中に必ず「月の句」と「花の句」を詠み込むことになっている。「月の句」を詠む場所を「月の定座」(つきのじょうざ)、「花の句」を詠む場所を「花の定座」(はなのじょうざ)という。それぞれの句数や何句目に詠むかは、各形式により異なる。なお、ここでいう「花」とは、連句では「桜」のことをさすが、「桜」といわず、必ず「花」と詠む。「花の雲」「花冷」「花万朶」(はなばんだ)などのことばがある。
今回、「自他場」や「打越」についてまで触れようと思っていたが、例句が必要だと思い、次回にまわすことにした。今回説明したルール等についても、これらは基本的なことなので、必要があれば随時補足したい。また、何度か「形式」ということばを使ったが、これについてはいずれまとめて説明したい。